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Words Evaporate on My Tongue

Translation, books, films, and Oxford commas.

翻訳百景

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実務翻訳者になって一年。初心者とは言えないがベテランには程遠く、翻訳の面白さに夢中になりながら、悩みも増えてきた。そんなタイミングで、この本に出会えて本当に良かった。最初の数ページを読んだだけで、なんだか泣きそうにさえなってしまった。ジャンルは違えど、翻訳について語られること全てがすっと腑に落ちてくる。自分は一人ではない、自分の考えは理解されている。翻訳を使命とし、丹念に丹念に言葉を紡ぎだして、名作を世に出してくれた人々がいる。そう感じられたことが有り難かった。今、私は孤独に陥っているから。

最近は特に悩みが多かった。社内翻訳者だからこその制約に悩み、翻訳を超えた要求にどう応えるか、自分を納得させるのが難しかった。ポジティブに考えれば、翻訳ならとにかくなんでも良かった一年前より成長した証拠だと思う。自分が翻訳をどう捉え、どう向き合っていきたいのか、自覚が芽生えてきたのだ。

それを実現するには、相当の訓練と、相当の覚悟がいるなあ。でもたぶん、映像翻訳の学校を終え、実務翻訳デビューから一年がたち、悩みを抱えながら、文芸翻訳の授業を受けようとしている、このタイミングや巡り合わせにも、何か意味があるのだと思う。いつかのトロントで、あなたは翻訳者になれると言われた時みたいに。

 

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